死がおまえの戸口を叩く日に


死がおまえの戸口を叩く日に、おまえは　何をささげるつもりか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　タゴール「ギタンジャリ」より

インドの詩人ラビンドラナート・タゴールの死生をテーマにした詩を
前にして、わたしは生命あるものすべてに訪れる死を無意識のうちに
遠ざけていたことに気づかされる。
詩人は「生を最後に完成させるもの」である死と向き合うことで
生きる歓びを最後の一滴まで味わいつくした人である。

「おまえは　何をささげるつもりか？」
と自分に問いかけてみる。
わたしは　わたしの織ったものすべてをさしだそう。
それらはわたしの生命をたたえた織物であり、
「わたしの人生の　収穫と蓄積のすべて」である。
その思いをいだきながら織り続けることが、わたしの織ることを通じ
ての死との向き合い方であり、生きる歓びである。

Silk　Natural dye　H150 × W225